これよんだ。漫画・韓国ドラマ・映画・本の率直な感想

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漫画・女王の花はすばらしく切なく美しいはなし 考察と感想とネタばれと

漫画「女王の花」は和泉かねよし先生が描く、すばらしく、切なく、美しい漫画でした。

 

女王の花」をうっかり、漫画王国というサイトで5巻まで無料の言葉に釣られて、読み始めたら、その日のうちに、5巻まで読み、次の日には6~15巻まで、一気に読んでしまうほどの名作でした。

 

和泉かねよし女王の花」のあらすじ

昔の中国っぽい都が舞台となっています。
中国っぽい国は更に、4つの国に別れていますが、国境沿いの諍いなどはあるものの、なんとか均衡を保っています。

 

その国の中のひとつ、亜国の姫でありながら冷遇されている亜姫(あき)と金の髪と天の色の眼(め)を持つ奴隷の少年薄星(はくせい)が、幼きころに出会い、いろいろな思いをしながら、いろいろな人に助けられ成長していく物語です。

 

身分が、姫と奴隷という境遇を越えて、亜姫と薄星は信頼しあい、相手を想い、また、たくさんの人に助けられ己の生きる道を模索し自らの手で選び進んでいくお話です。

 

ちなみに、「女王の花」の「花」とは伝説の千年に一度咲き、なんでも望みを叶えてくれるという、誰も見たことのない幻の花のことです。


「せんねんのはな」は辛い境遇に生きる二人にとって、「せんねんのはな、せんねんのはな、いつかあなたの望みが叶いますように」と作中何度もつぶやき、希望をみいだす、おまじないになっています。

 

そして、随所に挟み込まれる、モノローグが意味深です。

 


和泉かねよし女王の花」の感想と考察(完全にネタバレ)

 ネタバレしています。

 

 

まずは1巻の最初のページで、年取った女性の手が出てきて、悲観的なモノローグから始まるので、きっと二人は一緒にはなれないだろうという感じが、ずっと拭い去れませんでした。

 

ずっと一緒という約束をした二人でしたが、大人になり、亜姫が王としての頭角を現していくと、女王と奴隷は一緒になることが出来ないという、現実がひしひしと押し寄せてきます。

 

それでもなお、王になり、乱世を治めることが出来るのは亜姫しかいないとなり、お互いに別れを選ぶ二人がなんとも言えず・・・。


戦いの終盤に、二人は結ばれますが、永い別れとなります。


そして、何十年も過ぎ、女王の責務を全うし、自分の命が長くないと悟ると、亜姫は千年の花を探すようにおふれを出します。

やがて、ずっと昔に約束した「千年の花」を献上するものが現れ、亜姫は夢の世界へ・・・そして、ずっと昔に迎えに来ると約束した、薄星が迎えに来て、二人は望む世界へ消えるのでした。

 
思い出すだけでも涙が止まりませんが、なんともやるせないけど、いい話でした。