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この血の流れ着くところ 滝田愛美 感想やあらすじ

「この血の流れ着くところ」滝田愛美さん著を読んだ。

ダ・ヴィンチか何かで勧められており、宗教の話だとかで、興味がわいたので、手に取ってみた。

深夜から読み始めたが、一気に読んだ。

 
「この血の流れ着くところ」は母親と子供の礼子と礼子が大人になり母親になって、過去の回想と複数人の語り口で話がすすんでいく。

 

「この血の流れ着くところ」滝田愛美 あらすじ


主人公の礼子は幼いころから、父親がおらず、母子シェルターのような所で複数人の大人とともに、暮らしている。

母子シェルターとは言っても、公的なものではなく、先生が運営?する若干宗教寄りの共同生活施設で、様々な事情を抱えている女性たちが一緒に生活している。


しかし、宗教寄りとは言うが、あまり規律の厳しいような強制的なものではなく、身を持ち崩しそうになっている女性たちが、先生と呼ばれている飯塚が営む「もろびとの幕屋」で、互いに寄り添いあって、生きているという感じだ。

そこで起こった様々な事、現在の礼子や過去関わった人たちの現在が交錯する。


そして、現在の礼子には5歳の子供が居るが、夫とはうまくいっているとは言い難い。
あの母親のようにはなりたくない!と思ってた。

しかし、ある晩の出来事をきっかけに、礼子の母と同様に、自分も夫の元を離れる覚悟をする。

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「この血の流れ着くところ」滝田愛美 感想

おもしろかったので、一気に読めた。
もっと、宗教色が濃い話かと思ったけど、そうでもなかった。
最近話題になっている、カルト宗教の話というわけでもなかった。

どちらかと言うと、母と子の話で、毒親と呼ばれる母に育てられ、葛藤し、それでも生きていくという感じの話。しかし、淡々とした口調で語られるので、そんなに暑苦しくはない。

読んだ後は、「みんなただの人間なのだな」となんとなく、思った。
母も、主人公も、共同生活していた女性達も、先生と呼ばれていた飯塚も。

母親になった今、自分も娘に同じことをしているのではないか?と葛藤する。
しかし、母親になった今、母も大変だったのだと理解は出来る。

物語の中で、太一という同級生が出てくるが、彼もまた毒親に苦しめられた一人だけれども、最後の最後で、礼子も太一もそして、友達も少し希望が持てるような終わりだったので、良かったなと思った。

 

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